相続財産の分け方4種類|現物・代償・換価・共有を比較

相続財産の分け方4種類|現物・代償・換価・共有を比較

4つの分け方

  1. 現物分割: 財産をそのまま各相続人が取得
  2. 代償分割: 一人が現物を取得し、他の相続人へ金銭等を支払う
  3. 換価分割: 財産を売却し、代金から費用等を精算して分ける
  4. 共有分割: 持分を定めて共同所有を続ける

現物・代償・換価・共有は、遺産分割で実務上使われる整理です。どれが常に有利ということではなく、財産評価、利用希望、資金、税金、期限、将来の管理から選びます。

民法906条の分割基準

民法906条は、遺産の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身状態・生活状況その他一切の事情を考慮して分割すると定めています。907条に基づく協議は相続人全員で行います。

現物分割

自宅は配偶者、預金は子、株式は事業承継者というように、個々の財産をそのまま取得します。手続は理解しやすい一方、財産の価値がそろわない場合は、特別受益・寄与分・遺留分等も含めて調整が必要です。

代償分割

不動産や非上場株式を一人へ集約し、取得者が他の相続人へ代償金を支払います。取得者の支払能力、支払期限、担保・分割払い、評価基準を確認します。相続税の課税価格は国税庁No.4173の計算を確認し、協議書に代償分割であることを明記します。詳しい税務は代償分割の相続税・譲渡所得も参照してください。

換価分割

遺産を売却し、売却代金から仲介手数料・登記・測量・税金等を精算して分けます。売却名義、最低価格、費用負担、引渡し、税務申告を合意します。相続した土地建物の取得費・取得時期は国税庁No.3270、相続税の取得費加算はNo.3267で確認します。

共有分割

法定相続分等の持分で共同所有します。直ちに代償金・売却を用意できない場合の選択肢ですが、使用、賃貸、修繕、税・費用、管理決定、持分売却、共有物分割、次の相続まで定めないと関係が複雑になります。

比較表

方法 向く場面 主な確認
現物 財産の種類・価値を調整できる 評価差、取得後の利用
代償 不動産・事業資産を集約したい 代償金の原資、評価、税務
換価 現物利用者がいない、金銭で分けたい 売却条件、費用、譲渡所得
共有 当面共同保有する必要がある 管理・売却・費用・解消方法

協議書に残す事項

  • 財産の特定、評価基準日・評価資料
  • 取得者、売却担当、代償金、支払期限
  • 税金・登記・売却費用・収益の精算
  • 後から判明した財産・債務の扱い
  • 不履行時の対応、必要な担保

よくある質問

法定相続分どおりに現物を分ける必要がありますか?

必ずしも各財産を法定相続分どおりに共有する必要はありません。相続人全員が合意すれば、財産の性質・価値、利用状況、代償金等を踏まえた分け方ができます。

不動産は共有にすれば公平ですか?

持分割合は明確になりますが、利用、費用、管理、売却、次の相続で問題が残る場合があります。共有後の運用・解消方法まで決めます。

売却して分けると相続税だけで済みますか?

売却益があれば譲渡所得税等が生じる場合があります。取得費、譲渡費用、所有期間、相続税の取得費加算等を確認します。

遺産分割協議書は必ず作りますか?

作成自体が全ての相続で一律の成立要件というわけではありませんが、登記・金融機関等の手続と後日の証明のため、対象財産、取得者、代償金等を特定して書面化します。

本記事は一般的な制度の説明です。評価額、相続分、代償金、譲渡所得、特例、登記・売却方法は個別事情で変わります。協議書へ署名する前に、資料、条文、国税庁等の最新案内と専門家の確認を併用してください。

この記事の読み方

相続の制度は、家族の状況と財産の中身で結論が変わります。

法律と税務を分けずに確認

相続税申告、相続登記、不動産処分、遺産分割が同時に動く場面を前提に、弁護士・税理士の両面から整理しています。

個別事情で変わる点を重視

期限、特例、評価、分割方法はケースによって変わります。本文では一般的な考え方を示し、個別判断が必要な箇所は留保しています。

確認日

最終更新:

相続の全体整理が必要な方へ

相続税申告・相続登記・不動産処分まで、ひとつの窓口で相談できます。

税理士、司法書士、不動産会社、金融機関に別々に説明する前に、まずは相続全体の地図を作ることが大切です。ATBでは、遺産分割、相続税申告、登記の段取り、不動産や非上場株式の処分までまとめて整理します。

相続ワンストップサービスを見る

TOP

電話でお問い合わせ LINEで簡単お問い合わせ