- 申告義務と財産の種類を整理する
- 基本報酬に含まれる業務を確認する
- 土地・非上場株・国外財産等の加算を確認する
- 登記・準確定申告・書面添付等の別業務を分ける
- 同じ前提で総額見積りを比較する
相続税申告の税理士費用に全国一律の法定料金はありません。税理士会の旧報酬規定を現在の強制料金表として使わず、財産・相続人・業務範囲を示して個別見積りを取ります。
国税庁資料は、税理士会則から報酬規定を削除した制度改正を示しています。税理士業務は税理士法2条の基本通達により、税務代理、税務書類作成、税務相談を中心に確認します。登記・紛争交渉等を当然に含めません。
費用より先に申告要否を確認する
遺産総額が基礎控除以下なら原則として相続税申告は不要です。ただし、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例等を使って税額がゼロになる場合は申告が必要です。
相続税の申告期限は、通常、相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。見積り比較中でも期限は止まらないため、申告要否と不足資料を早期に確認します。
見積りの基本項目
- 財産・債務・生前贈与の調査と一覧作成
- 土地、家屋、上場株、非上場株等の相続税評価
- 相続税総額と各人の税額計算
- 特例・税額控除・2割加算の検討
- 申告書・添付書類の作成と電子申告
- 税務署からの照会、修正、税務調査対応の範囲
相談回数、資料収集、財産目録、遺産分割シミュレーション、納付書、申告後の書類保管が基本報酬に含まれるかを確認します。「相続税申告一式」だけでは業務範囲を比べられません。
加算されやすい業務を分ける
土地の筆数・利用区分、非上場株式、国外財産、暗号資産、名義財産、農地、医療法人、相続人多数、未分割申告等は、評価・資料確認が増えるため追加報酬の対象になることがあります。
土地は現地調査、役所調査、不整形地等の補正、貸付・借地関係、小規模宅地等の特例を確認します。非上場株式は会社規模、類似業種、純資産、特定会社、過去の決算資料を扱います。財産総額が同じでも難易度は同じではありません。
申告期限直前、資料紛失、相続人間の連絡不全も業務量を増やします。急ぎ対応の有無・期限と、概算申告後の修正を含むか確認します。
税理士費用に含まれないことがある業務
相続登記、遺産分割交渉、遺言無効・遺留分・使途不明金の紛争、鑑定、測量、売却仲介は、司法書士・弁護士・鑑定士等の別業務となることがあります。紹介料・連携費用も見積書で確認します。
準確定申告、被相続人の未申告所得、贈与税申告、相続後の不動産売却の譲渡所得申告、更正の請求、税務調査立会いも、相続税申告の基本報酬と別か確認します。
固定パーセンテージだけで比べない
遺産総額の一定割合という料金表示は見積りの入口にはなりますが、法定相場ではありません。債務控除前か後か、生命保険金・小規模宅地の減額前か後か、評価額が確定する前後で算定基礎が変わります。
「遺産総額の0.5%が全国標準」「報酬が高いほど節税額も大きい」といった無出典の断定は避けます。基本報酬、財産別加算、相続人加算、申告期限、書面添付、調査対応、消費税を合算して比較します。
安さだけでなく成果物と確認方法を比べる
提出する申告書だけでなく、財産評価の根拠、土地評価資料、相続人別税額表、特例判定、納付案内、申告後に返却される資料を確認します。依頼者が内容を説明できるよう、重要な評価と判断を打合せで確認します。
税額を低く見せる見積りと、根拠を確認して適正に申告する業務は同じではありません。節税提案がある場合は、適用条文・要件、必要な遺産分割、申告期限後の保有要件、否認された場合の影響を確認します。
担当税理士と補助者の役割、連絡頻度、資料提出方法、最終確認日も比較します。相続人間の連絡や署名押印を誰が取りまとめるかが曖昧だと、期限直前に手続が止まります。
書面添付・税務調査対応
税理士法33条の2の書面添付を行うか、どの確認事項を記載するか、追加費用かを確認します。書面添付があれば税務調査が絶対に来ない、追徴がなくなるという制度ではありません。
申告後の税務署照会、意見聴取、実地調査の立会い、修正申告、不服申立ては、別契約・時間制となることがあります。申告後何年、どの連絡まで基本料金に含むかを確認します。
見積り前に渡す資料
- 相続関係図、遺言、遺産分割の状況
- 預貯金、証券、不動産、保険、非上場株等の一覧
- 債務、葬式費用、生前贈与、名義財産の資料
- 過去の所得税・贈与税申告、法人決算書
- 希望する業務、申告期限、連絡窓口
比較は同じ資料・同じ依頼範囲で行い、追加料金が生じる条件を書面で確認します。依頼時期は税理士へ頼む時期、本人申告との比較は自分で相続税申告する方法も確認してください。
よくある質問
相続税申告の税理士費用は全国一律ですか?
一律ではありません。旧報酬規定は廃止され、各税理士・税理士法人の基準と個別見積りで決まります。
遺産総額の一定割合が法定相場ですか?
違います。割合表示は各事務所の基準で、財産の難易度、相続人、業務範囲、追加料金を確認します。
相続登記の費用も含まれますか?
当然には含まれません。司法書士報酬・登録免許税等を別に確認します。
書面添付があれば税務調査は来ませんか?
その保証はありません。添付の内容と、意見聴取・調査対応の契約範囲を確認します。
申告期限直前でも同じ費用ですか?
急ぎ対応や不足資料の補完で追加費用が生じる場合があります。期限と受任可能範囲を早く確認します。
本記事は2026年8月27日現在の一般的な費用説明です。財産、相続人、評価、期限、業務範囲、事務所の報酬基準で費用は変わります。具体的な見積書と委任内容を依頼予定の税理士へ確認してください。



