- 財産を管理する人(受託者)と利益を受ける人(受益者)を設計します。
- 対象は信託した財産で、本人の全財産や身上監護を自動的にカバーしません。
- 信託契約、登記・口座、税務、後継受託者と終了時の帰属を一体で決めます。
家族信託は、認知症になればすべての口座が自動的に凍結されるという前提で使う制度ではありません。本人の判断能力、金融機関が死亡や判断能力低下を把握した経緯、代理権、取引内容で扱いは変わります。
信託の成立と登場人物
信託法2条・3条は、委託者、受託者、受益者と、契約・遺言・自己信託による設定を定めています。家族信託は通称であり、適用される基本法は信託法です。
受託者が動かせるのは信託財産の範囲
受託者は信託目的に従って信託財産を管理・処分します。委託者の普通預金、将来取得する財産、医療同意、介護契約などが当然に全て受託者の権限へ入るわけではありません。不動産は信託登記、金銭は金融機関の取扱いを事前確認します。
成年後見・遺言と役割が違う
| 制度 | 中心的な役割 |
|---|---|
| 家族信託 | 特定財産の管理・承継を契約等で設計 |
| 成年後見 | 本人の財産管理と法律行為支援 |
| 遺言 | 死亡後の財産帰属等を法定方式で指定 |
税務と終了時まで設計する
相続税法9条の2は、信託の受益権等の課税関係を定めています。委託者・受益者が誰か、受益者変更、受益者連続、信託終了時の残余財産を税務と一緒に確認します。費用は家族信託の費用内訳、遺言信託との違いは民事信託と遺言信託を参照してください。
制度を選ぶ際は、信託財産の範囲、受託者の継続管理、成年後見・遺言との役割分担を比較します。判断材料は家族信託のメリット・デメリットも参照してください。
よくある質問
家族信託をすると普通預金口座は凍結されませんか?
信託した財産と委託者個人の財産は区別します。委託者名義の普通預金が当然に信託財産になるわけではなく、金融機関の手続も確認が必要です。
家族信託で医療・介護の同意もできますか?
受託者の権限は信託財産の管理・処分が中心です。医療同意や身上監護の権限が当然に生じるわけではありません。
家族信託があれば遺言は不要ですか?
信託していない財産の承継、受益権の帰属、遺言でしか扱えない事項が残ることがあります。信託契約と遺言の整合を確認します。
信託契約は公正証書でなければ無効ですか?
信託法3条は契約・遺言・自己信託を定めています。家族信託契約が常に公正証書でなければ成立しないわけではありませんが、金融機関や登記、証拠の観点で公正証書化を検討します。
本記事は一般的な制度の説明です。個別の期限、相続人、財産・債務、契約、税額は資料と事実関係で変わるため、具体的な判断は弁護士・税理士等へ確認してください。



