- 公正証書遺言・法務局保管遺言・自宅保管資料を確認する
- 戸籍で相続人を確定する
- 財産・債務と期限を一覧化する
- 評価資料をそろえて相続人全員で協議する
- 協議書を作り、登記・預金・税務等を実行する
遺言書が見当たらない場合でも、すぐに「遺言はない」と決めず、保管制度、公証役場、自宅・貸金庫、専門家への預託等を確認します。その後、戸籍で相続人を確定し、全員で遺産分割協議を進めます。
遺言書の有無を確認する
- 法務局の自筆証書遺言書保管制度
- 公証役場で作成された公正証書遺言
- 自宅、貸金庫、勤務先、専門家等の保管資料
封印された自筆証書遺言等を見つけた場合は、勝手に開封せず、民法1004条と家庭裁判所の検認手続を確認します。法務局保管の遺言書は検認不要です。
戸籍で相続人を確定する
法務省の相続手続ハンドブックを参照し、被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍等を集めます。子が先に死亡している代襲相続、先順位者の放棄、養子・認知、兄弟姉妹の系統では追加戸籍が必要です。
戸籍束を何度も提出する場合は、法定相続情報証明制度の利用も比較します。提出先ごとの一覧は相続手続きの必要書類も参照してください。
財産・債務と期限を一覧化する
- 預貯金、証券、不動産、保険、事業・デジタル資産
- 借入れ、保証、未払税金、賃料、医療費等
- 相続放棄3か月、準確定申告4か月、相続税10か月、相続登記3年
相続放棄を検討する間は、民法921条の法定単純承認に注意します。財産の売却・消費・解約等の前に、保存行為との区別を確認します。
相続人全員で遺産分割協議をする
民法907条により、共同相続人は遺産の分割を協議できます。法定相続分は協議の基準ですが、全員が合意すれば、財産の種類、取得能力、生活状況等を踏まえて別の配分もできます。
相続人が一人でも欠ける協議は避けます。未成年者と親権者の利益が対立する場合の特別代理人、判断能力が不十分な人の成年後見、行方不明者の不在者財産管理人など、本人の代わりに適法に参加する仕組みが必要になることがあります。
協議書と名義変更
協議がまとまったら、対象財産、取得者、債務・費用、後から見つかった財産、精算方法を特定して協議書を作成します。不動産登記、預貯金、証券、車両、事業資産等は提出先ごとの必要書類を確認します。
借金を誰が負担するかを相続人間で決めても、債権者の同意なく債権者を当然に拘束するわけではありません。免責的債務引受等が必要か、債権者と別に確認します。
合意できない場合
裁判所の遺産分割調停案内に沿って家庭裁判所へ申し立てます。調停不成立の場合は原則として審判へ移ります。争点、財産評価、使途不明金、特別受益、寄与分を資料で切り分けます。
よくある質問
遺言書がなければ法定相続分どおりに分けますか?
法定相続分は基準ですが、相続人全員が合意すれば異なる分け方もできます。ただし債務の負担を相続人間で決めても、債権者を当然に拘束するわけではありません。
相続人が一人でも欠けた協議は有効ですか?
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。後から相続人が判明した場合、原則としてその人を含めて協議をやり直す必要があります。
遺言書がないことを確認したらすぐ遺産を分けてよいですか?
先に相続人、財産・債務、相続放棄の可能性、税務・登記期限を確認します。財産を処分すると法定単純承認が問題になる場合があります。
話合いがまとまらない場合はどうしますか?
相手方の住所地または合意した家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てます。調停でまとまらなければ、原則として審判へ移ります。
本記事は一般的な制度の説明です。費用、戸籍、期限、相続人、遺産・債務、協議方法は個別事情と提出先で変わります。裁判所・法務省等の最新案内と専門家の確認を併用してください。



