相続手続代行の費用|弁護士・司法書士・税理士・行政書士の範囲

相続手続代行の費用|弁護士・司法書士・税理士・行政書士の範囲

相続手続代行を選ぶ順序

  1. 必要な手続と期限を一覧にする
  2. 紛争・不動産登記・税申告の有無を分ける
  3. 業務ごとに扱える資格者を選ぶ
  4. 報酬と実費、追加料金、他士業費用を分けて見積比較する
  5. 委任範囲・成果物・原本返却を契約書で確認する

相続手続の代行費用は、全国共通の公定相場ではありません。財産額の何%、一式何万円という表示だけで比べると、戸籍収集、相続登記、相続税申告、交渉、訴訟、実費のどこまで含むかを見落とします。先に必要業務を分解し、各資格者の法定業務と見積範囲を対応させます。

相続手続を6つに分ける

  1. 相続人・遺言・相続放棄の確認
  2. 預貯金、不動産、有価証券、債務の調査
  3. 遺産分割の協議・交渉・調停・審判
  4. 遺産分割協議書等の作成
  5. 不動産登記、金融機関等の名義変更
  6. 相続税・所得税等の申告

一つの窓口がまとめて受任しても、内部または外部の弁護士・司法書士・税理士等へ業務を分担する場合があります。「全部込み」が何を意味するかを作業項目で確認します。

弁護士は争いの交渉・調停まで扱える

弁護士法72条は、弁護士等でない者が報酬目的で一般の法律事件について鑑定、代理、仲裁、和解その他の法律事務を取り扱うこと等を原則禁止しています。遺産の範囲、使途不明金、特別受益、遺留分などで対立し、相手方との交渉や家庭裁判所手続が必要なら、弁護士の範囲を確認します。

初めは相続人全員が合意していても、案を示した後に反対が出ることがあります。契約時に「紛争化した場合は業務終了か」「弁護士へ引継ぐか」「別料金はいくらか」を確認します。

司法書士は相続登記を中心に確認する

司法書士法3条は、登記に関する手続の代理、法務局提出書類や裁判所提出書類の作成等を定めています。相続登記の申請代理や登記相談を依頼する場合の中心的な資格者です。

認定司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務には範囲と金額上限があり、それによって家庭裁判所の遺産分割調停を代理できるわけではありません。法務省が案内する相続登記の3年義務と、遺産分割後の追加的義務も日程に入れます。

行政書士は書類作成と事実証明の範囲を確認する

行政書士法は、官公署提出書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成等を定めています。他法令で制限された業務は扱えません。

相続人間で内容が合意済みの遺産分割協議書作成と、対立する相手を説得して分割条件を交渉する行為は同じではありません。LegalScapeで確認した裁判例・法令上も、本人の意思を文書化・伝達する範囲と、紛争化後の法律事件を業として交渉する範囲を区別する必要があります。

税理士は税務代理・税務書類・税務相談を扱う

税理士法2条は税務代理、税務書類の作成、税務相談を税理士業務とし、同法52条は原則として税理士等でない者が税理士業務を行うことを制限しています。相続税申告、評価、税務署対応、準確定申告等は税理士の担当範囲を確認します。

相続税申告が不要かの判断にも財産・債務・生前贈与の把握が必要です。「基礎控除以下の見込みだから税理士は不要」と見積前に決めず、評価が難しい土地、非上場株式、名義財産、特例がある場合は申告要否の確認だけを依頼できるか聞きます。

見積書は報酬と実費を分ける

区分 確認例
基本報酬 対象相続人・財産・作成書類・面談回数
加算報酬 相続人数、金融機関数、不動産筆数、期限の短さ
実費 戸籍、証明書、郵送、交通、登録免許税
他士業費用 誰と別契約するか、紹介料の有無、支払先
成功報酬 基準額、経済的利益、最低額、消費税
終了・追加 紛争化、財産追加、解約、原本返却

「相続手続一式」の総額だけでなく、含まれない作業に印を付けてもらいます。登録免許税など預り実費は専門家報酬と分け、相続税申告報酬が財産額連動なら評価前後の変更条件を確認します。

自分で進められる部分

相続人本人は、戸籍の請求、金融機関への照会、法定相続情報一覧図の申出、一定の登記申請、家庭裁判所への相続放棄申述等を自分で行えます。法務局の法定相続情報証明制度を使うと、戸籍一式を繰り返し提出する負担を減らせる場合があります。

ただし、期限が迫る、相続人が多い、外国・代襲・数次相続がある、土地評価が複雑、対立がある場合は、自力処理の時間と誤りの修正費用も比較します。自分で行う相続税申告の確認項目は相続税申告を自分で行う手順も参照してください。

依頼前に渡す一枚

  • 死亡日、申告・放棄・登記の期限
  • 相続人候補と連絡・対立の有無
  • 財産・債務の概算と資料の所在
  • 既に行った手続と未処理の手続
  • 希望する成果物、連絡方法、期限

同じ資料を二度収集しないよう、誰が原本を保管し、どの専門家へ共有するかを決めます。相続登記だけの費用構造は相続登記の費用も参照してください。

契約前チェック

  1. 担当資格者の氏名・登録・直接面談の有無
  2. 受任業務と対象外業務
  3. 紛争化・税務調査・追加財産時の扱い
  4. 報酬、実費、他士業費用、解約精算
  5. 原本・データの返却、保管期間、個人情報共有
  6. 進捗報告の頻度と最終成果物

広告上の肩書や最安額だけで選ばず、必要業務を適法に最後まで処理できる構成かを比べます。

銀行・信託会社等のパッケージも内訳を見る

金融機関や信託会社が遺産整理業務の窓口になるサービスでは、財産調査、残高証明、換価、名義変更、分配、専門家紹介などの組合せを確認します。窓口が一つでも、相続登記や相続税申告、紛争代理は資格者との別契約・別報酬になることがあります。

財産額連動の報酬では、最低報酬、評価対象に自宅・保険金・非課税財産・債務を含むかを確認します。業務完了の定義が「金融資産の分配」までか、「登記・申告を含む全手続」までかも契約書で照合します。

二社以上の見積りを同じ条件にそろえる

見積りごとに前提財産や作業範囲が違えば総額比較はできません。同じ相続関係図、財産概算、期限、希望成果物を渡し、別料金になる項目へ印を付けてもらいます。安い見積りへ後から税申告・登記・交渉費用を足す場合と、当初から連携費用を含む場合の最終総額を比べます。

本記事は一般的な資格制度と費用構造の説明です。個別の受任範囲、報酬、紛争性は案件と契約で異なります。各資格者の説明・委任契約・最新法令を確認してください。

この記事の読み方

相続の制度は、家族の状況と財産の中身で結論が変わります。

法律と税務を分けずに確認

相続税申告、相続登記、不動産処分、遺産分割が同時に動く場面を前提に、弁護士・税理士の両面から整理しています。

個別事情で変わる点を重視

期限、特例、評価、分割方法はケースによって変わります。本文では一般的な考え方を示し、個別判断が必要な箇所は留保しています。

確認日

最終更新:

相続の全体整理が必要な方へ

相続税申告・相続登記・不動産処分まで、ひとつの窓口で相談できます。

税理士、司法書士、不動産会社、金融機関に別々に説明する前に、まずは相続全体の地図を作ることが大切です。ATBでは、遺産分割、相続税申告、登記の段取り、不動産や非上場株式の処分までまとめて整理します。

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