遺産分割調停の申立手数料は、亡くなった人1人につき収入印紙1,200円分だ。相手方の人数で掛けるものではない。
郵便料、戸籍などの取得費、鑑定や弁護士への依頼費用は別に考える。以下は、父の昭夫の遺産をめぐる佳奈・守・亮の架空の例だ。
父の昭夫の遺産について、娘の佳奈は自宅を売って預金と一緒に分けたい。兄の守は住み続けたいが、代わりに払う金額が決まらない。弟の亮も返事をしなくなり、佳奈は調停(裁判所で調停委員を交えて話し合う手続き)を調べた。「相手が二人なら、申立手数料も二人分になるのか」と費用を心配している。
調停の申立て全体は、申立先・当事者・必要書類・期日と審判(裁判官が事情や資料を調べて判断する手続き)までを一続きで確認する。 遺産分割調停の申立て方法|申立先・必要書類・費用・審判への流れで詳しく確認できる。
調停の予算は、裁判所へ納める費用、資料取得・評価の費用、専門家へ依頼する費用を分ける。自分で申し立てる案と、一部だけ相談する案も同じ範囲で比較する。
1,200円に含まれるものと、別に必要になる費用
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 申立手数料 | 亡くなった人1人につき収入印紙1,200円分。 |
| 郵便料 | 提出先の家庭裁判所の最新案内を確認。郵便切手のほか保管金による納付の案内もある。 |
| 資料の取得 | 戸籍、住民票、登記事項証明書、評価証明や残高証明等。必要な通数と請求方法で変わる。 |
| 追加の調査・鑑定等 | 評価等に争いがあり必要になる場合は、その費用と負担を別に確認する。 |
| 専門家への依頼 | 弁護士の相談・代理費用等は依頼範囲と契約による。裁判所の印紙と別の見積り。 |
昭夫一人の遺産を分けるため、佳奈が守と亮を相手方に申し立てる説明例では、印紙は1,200円分だ。相手方二人だから2,400円とはしない。他方、父と祖父の未処理の相続をまとめて扱う必要がある場合等は、亡くなった人と対象事件を確認する。
説明のため、佳奈が裁判所へ確認した郵便料を3,000円、資料の取得費を4,000円と見積もったとする。印紙1,200円と合わせて8,200円だ。
これは計算を示す仮の数字であり、どの裁判所でも同じ金額になるわけではない。交通費、仕事を休む負担、追加の資料、鑑定や弁護士の報酬も含めていない。
弁護士へ依頼する場合は、着手時、成立・審判時、実費の支払時を分けて確認する。報酬の基準と経済的利益の計算、抗告や別訴が含まれるかも契約で確かめる。「裁判所の費用が少ないから総費用も少額」とは判断しない。
申立先と相続人が合っているかを、費用を計算する前に確認する。提出先を間違えると、書類や郵送の準備をやり直すこともある。
戸籍・登記・残高などの資料を取る費用も見込む。裁判所の案内と手元の資料を照らし合わせ、まだ必要な書類と取得先を整理する。
提出する資料や鑑定が増えれば、費用や専門家に頼む仕事も変わる。次の期日までに必要な作業と、追加費用の見通しを確認する。
本人申立てはできる。相談する範囲も選べる
弁護士へ頼まず、自分で申し立てることもできる。ただし、財産の範囲や値段、遺言の有効性、生前の援助や介護による取り分の調整、代理人・所在不明者などの問題があれば、法律の判断が必要になる。
申立書を出す作業と、自分の権利をどう主張するかを分けて、相談が必要な範囲を考えよう。
相談だけ依頼するのか、書面や資料の検討を頼むのか、手続代理まで依頼するのかを確認できる。裁判所の手続案内と、自分の利益をどう主張すべきかという助言は同じではない。亮の返事がないという事情も、単なる反対なのか、送達先が不明なのかで対応が変わる。
調停の費用と別に、税務・登記等の期限を管理する
調停中でも、相続税の申告・納税期限は原則として父の死亡を知った日の翌日から10か月だ。未分割申告は納税を待ってもらう仮申告ではない。必要なら分割見込書や、その後の承認申請・更正の請求等を税理士と確認する。
遺産分割が10年経過後になる場合の特別受益・寄与分の扱いには民法904条の3と経過措置(新しい制度に切り替わるときの特別な扱い)がある。遺留分の請求期間や相続登記の義務も、調停申立てをすればすべて処理されたとは考えない。何の権利について、どの手続をいつしたかを別々に記録する。
佳奈は、印紙、郵便料、資料、専門家費用を別の欄にした。その上で三人の相続関係と財産、守の支払案、税務の期限をそろえる。少額の印紙で始められることを知るだけでなく、次の期日に何を用意するかが見える状態にして申し立てたい。
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確認に使える公的資料
本人対応と依頼する場合を、同じ予算表に並べる
家族の一人が立て替える場合も、誰がどの費用を負担するかは別に決める。裁判所の実費が少ないことだけで、相続の対応費用全体も同じ額で済むと考えない。
ほかにも確認する手続がある場合は、遺産分割・調停・紛争の関連ガイドから目的に合う説明を探せる。
よくある質問
相続調停の申立費用はいくらかかりますか
遺産分割調停の印紙は亡くなった人1人につき1,200円分だ。相手方の人数で掛けない。郵便料、戸籍等の資料、鑑定や専門家への依頼は別に確認する。
相続調停はどのくらいの期間がかかりますか
争点、人数、資料、評価や日程によって変わる。一定の月数や回数で終わる保証はなく、裁判所の期日と次の提出期限を管理する。
相続調停は弁護士なしで申し立てることができますか
本人申立ては可能だ。複雑な権利や評価の争い、代理等がある場合は、相談・検討・代理の必要な範囲と費用を確認する。
調停が不成立になった場合はどうなりますか
遺産分割調停は原則として審判へ移り、裁判官が事情と資料に基づき分割を判断する。自動移行しても、主張と証拠の準備は必要だ。
相続調停の申立期限はありますか
一律に相続後何か月で申し立てなければならない手続ではないが、10年経過後の特別受益(遺贈や一定の生前贈与など、相続の取り分を考えるときに含める特別な利益)・寄与分の制限と経過措置、税務、登記、遺留分等の期限を別に確認する。



