公正証書遺言は、公証人が関与し、証人2人以上の立会いのもとで民法所定の方式により作成する遺言です。
本人、公証人、証人2人の関与が必要です。2025年10月から公証手続のデジタル化と手数料改定が施行されているため、古い費用表ではなく現行案内で確認します。
公正証書遺言の作成手順
- 誰に何を渡すか、予備的な取得者、遺言執行者を整理する
- 公証役場へ連絡し、戸籍、本人確認資料、不動産・預貯金等の資料を提出する
- 公証人と内容を調整し、証人2人を手配する
- 作成日に本人の意思と内容を確認し、民法969条の方式を履践する
- 正本・謄本等を受け取り、保管場所と死後の連絡方法を決める
日本公証人連合会の必要資料案内では、戸籍、財産資料、証人の情報などを確認できます。必要書類は遺言内容によって変わるため、予約時に担当公証人へ確認してください。
証人になれない人を確認する
民法974条は、未成年者、推定相続人・受遺者とその配偶者・直系血族、公証人の配偶者・四親等内の親族・書記・使用人を証人欠格者としています。家族だから証人にできるとは限りません。
最高裁第三小法廷昭和55年12月4日判決(民集34巻7号835頁)は、視覚障害者が民法974条の欠格者に当たらず、視覚障害だけで事実上の証人適格を欠くともいえないと判断しました。個々の障害の有無だけで一律に証人適格を断定しないことが重要です。
公正証書遺言は検認不要だが、内容の争いが消えるわけではない
民法1004条2項により、公正証書遺言には家庭裁判所の検認が不要です。ただし、遺言能力、本人の真意、遺留分、内容の解釈などが後から争われる可能性までなくなるわけではありません。
2025年10月以降のデジタル化と手数料
法務省の公正証書デジタル化案内によると、公正証書作成手続のデジタル化は2025年10月1日に施行されました。同日から手数料体系も見直されています。
遺言公正証書の手数料は、受遺者・相続人ごとの目的財産価額や加算、出張の有無などで変わります。日本公証人連合会の現行手数料表で計算方法を確認し、作成前に公証役場へ見積りを求めてください。旧手数料令を前提にした一律の概算は避けるべきです。
遺言の種類は自筆・公正証書・秘密証書の違い、発見時の確認は遺言書の探し方も参照してください。
よくある質問
公正証書遺言には何人が関与しますか
遺言者本人、公証人、証人2人以上が関与します。証人には民法974条の欠格事由があります。
公正証書遺言に検認は必要ですか
不要です。民法1004条2項が公正証書遺言を検認の対象外としています。
公証役場へ行けない場合は作れませんか
病気などで出向くことが難しい場合は公証人の出張が可能なことがあります。費用を含め公証役場へ相談してください。
作成費用はいくらですか
目的財産価額、受遺者等の数、加算、出張の有無で異なります。2025年10月施行の現行手数料表で確認します。
※本記事は一般的な情報提供です。方式、必要資料、遺言能力の確認、費用は内容と公証役場により異なるため、作成前に担当公証人へ確認してください。



