- 暗号資産は、相続開始時の経済的価値を確認して課税財産へ計上します。
- 活発な市場がある場合は、交換業者が公表する課税時期の取引価格が基本です。
- 残高、銘柄、数量、価格資料、ウォレットへのアクセス手段を分けて確認します。
暗号資産の相続では、「死亡日の終値を一律に使う」「売却できなければゼロ」と単純化できません。国税庁が示す市場の有無と価格資料に沿って評価します。
相続税評価の根拠
相続税法22条は、特別の定めがあるものを除き、相続等で取得した財産の価額を取得時の時価によると定めています。暗号資産については、財産評価基本通達5の「評価方法の定めのない財産」を踏まえます。
国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い」4-2は、活発な市場がある暗号資産を、納税義務者が取引する交換業者の課税時期の取引価格で評価するとしています。
活発な市場がある場合
- 交換業者の残高証明書に記載された取引価格を利用できる
- 販売所に購入価格・売却価格がある場合、売却価格で評価して差し支えない
- 複数の交換業者で取引していた場合、選択した交換業者の価格で差し支えない
価格のスクリーンショットだけでなく、交換業者名、日時、銘柄、数量、円換算方法を保存します。死亡日に取引価格がない場合や、取引停止・上場廃止がある場合は個別確認が必要です。
活発な市場がない場合
一定の相場が成立していない暗号資産は、内容・性質・取引実態を踏まえ、売買実例価額や精通者意見価格などを参酌して個別に評価します。取得価格や現在価格だけを機械的に当てはめる方法ではありません。
評価前に保有実態を確認する
- 国内外の交換業者、ウォレット、端末、メールを確認
- 銘柄、数量、ステーキング・レンディング、未収益を区別
- 死亡日時点の価格資料と残高証明を保存
- 秘密鍵や復元フレーズは、財産一覧とは分離して安全に承継
財産の見つけ方は相続財産調査の進め方、オンライン資産全体はデジタル遺品の確認も参照してください。
交換業者・自己管理ウォレットの発見、移管、評価資料の保存まで含む実務は、暗号資産を相続したときの手順も参照してください。
よくある質問
暗号資産は相続税の対象ですか?
被相続人が保有していた暗号資産に経済的価値があり、相続で取得した場合は、相続税の課税財産として評価・申告要否を確認します。
どの時点の価格を使いますか?
国税庁資料は、活発な市場がある暗号資産について、納税義務者が利用する交換業者が公表する課税時期の取引価格で評価するとしています。相続では通常、被相続人の死亡日が課税時期です。
取引所ごとに価格が違う場合は?
複数の交換業者で取引していた場合、国税庁資料は納税義務者が選択した交換業者の課税時期の取引価格によることを認めています。選択根拠と価格資料を保存します。
活発な市場がない暗号資産は?
売買実例価額や精通者意見価格などを参酌し、内容・性質・取引実態を踏まえて個別評価します。ゼロ評価を自動的に選べるわけではありません。
本記事は一般的な制度の説明です。個別の期限、相続人、財産・債務、税額は資料と事実関係で変わるため、具体的な判断は弁護士・税理士等へ確認してください。



