ゴルフ会員権を相続したら、会員権の種類、死亡日の取引相場、預託金、会則の承継条件、名義変更料を確認します。
相続税評価とクラブ上の名義変更は別です。取引相場のある会員権は原則70%評価ですが、取引価格に含まれない預託金、株式、譲渡不能の利用権などで計算が変わります。
相続発生後に確認する5つの資料
- 会員証、預託金証書、株券その他の権利証書
- クラブ会則・入会規約・名義変更規程
- 死亡日における複数の会員権相場
- 預託金額、返還可能日、据置期間
- 年会費滞納、名義変更料、退会・売却条件
「会員証が見つからない」「ゴルフ場が休業中」という事情だけで価値がゼロになるとは限りません。運営会社、会員権業者、過去の請求書、被相続人のメール等から権利内容を確認します。
預託金制・株主会員制などの種類を確認する
| 主な形態 | 確認する権利 |
|---|---|
| 預託金制 | 施設利用権、預託金返還請求権、譲渡・承継条件 |
| 株主会員制 | 運営会社等の株式、施設利用権、株式譲渡・名義書換条件 |
| 株式+預託金 | 株式価値と預託金の双方 |
| 譲渡不能の利用権 | 預託金等の返還請求権があるか、単なるプレー権か |
相続による会員資格の承継が当然に認められるか、相続人が入会審査を受けるか、いったん退会・売却するかは会則によります。相続税法上の財産価値と、クラブの会員資格承継を混同しません。
取引相場のある会員権は死亡日相場の70%が基本
国税庁「ゴルフ会員権の評価」は、取引相場のある会員権を、課税時期における通常の取引価格の70%相当額で評価するとしています。相続の課税時期は被相続人の死亡日です。
取引価格に含まれない預託金がある場合は、直ちに返還を受けられる金額、または返還日までの期間に応じた複利現価を加えます。相場は一社だけの売り希望価格で断定せず、売買価格、複数業者の気配、取引の有無を確認します。
取引相場のない会員権は権利の中身で分ける
財産評価基本通達211は、取引相場のない会員権について、株主でなければ会員になれないもの、株式と預託金の双方が必要なもの、預託金のみのものを分けます。株式は株式の評価方法、預託金は返還時期に応じた金額で評価します。
株式を必要とせず、譲渡もできず、返還を受けられる預託金等もなく、単にプレーできるだけの会員権は評価しません。ただし、該当性は会員権名だけでは決めず、会則と証書で確認します。
名義変更・売却・退会・相続放棄は別の判断
相続人自身がプレーしない場合も、売却できるか、相続人名義への変更を先に求められるか、退会による預託金返還が可能かをクラブへ確認します。名義変更期限は一律の法律ではなく、各クラブの会則・規程によります。
会員権だけを不要として相続放棄することはできません。相続放棄は、プラス・マイナスを含む相続全体について家庭裁判所で行う手続です。年会費などの負担も含め、熟慮期間内に遺産全体を調査します。
税額計算の詳細はゴルフ会員権の相続税評価、財産調査は相続財産の調べ方も参照してください。
よくある質問
ゴルフ会員権は一律に死亡日相場の70%ですか
取引相場のある会員権は原則70%評価ですが、取引価格に含まれない預託金がある場合や、取引相場がない場合は計算が変わります。
会員権の名義変更に法律上の一律期限はありますか
一律の法定期限ではなく、クラブ会則や名義変更規程を確認します。相続税申告の10か月期限とは別です。
プレーしない会員権は評価ゼロですか
利用意思だけではゼロになりません。譲渡可能性、相場、株式、預託金返還請求権など客観的な権利内容で評価します。
ゴルフ会員権だけ相続放棄できますか
できません。相続放棄は特定財産だけを選ぶ制度ではなく、相続全体を放棄する手続です。
※本記事は一般的な情報提供です。会員権の権利内容、相場、返還時期、名義変更条件はクラブごとに異なるため、会則と証書を確認し税理士等へ相談してください。



